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Forests Make Oceans -

豊かな海は、豊かな森によって創られています。

1960年代、過剰消費と人口増加、科学技術の圧迫により、生物・生態系を取り巻く環境は一気に悪化し、地球規模の環境破壊が引き起こされ、大きな社会問題となりました。1970年代になると、それにたいする「環境保護」という活動が起こり、「環境保護」を標榜する数多くの団体が登場します。また、また環境破壊を引き起こす経済活動に国はさまざまな制限をかけはじめましたが、現実は経済最優先の政策がとられ、インフラ整備に対しての予算は膨大で、自然環境の面では国や地方自治体の施策が遅れ、「環境保護」活動は細々とした市民レベルにとどまる状況がその後30年近くつづいてきました。

 しかし、自然環境は加速度的に荒廃が進み、21世紀を迎えたころには、荒廃した山中には動物たちの食物も少なくなり、動物が山を降りて里で畑を荒らしたり、人に襲いかかったりといった事象がでてきました。こうした状況に、全国の林業関係者や環境保護団体は政府に圧力をかけはじめ、国も重い腰を動かざるをえない状況に至っています。こうして、本来は自然環境保護ですんだのですが、人の手で自然を保全せざるをえないほど海や山の荒廃が進み、保護から保全という、より強い処置が必要な段階になっています。山の荒廃は、海の荒廃に直結しているので、生態系が崩れはじめてきて気がつくと、海の砂漠化がすすみ、近海の魚介類の漁獲量が大幅に減少するという社会問題になっています。こうして、海も保護から人の力で保全しなければ、海の森も消滅してしまうという危機的な状況がつづいています。

2016年、日本自然環境保全協会を設立、森の再生事業を開始しました。

私たちは、2016年、一般社団法人「日本自然環境保全協会」を設立し、森の再生事業に取り組みはじめました。そしてこの5年間で約30ヵ所の山林の保全事業を地方自治体の協力の元、おこなってきました。

 次のような事例がありました。「下田市吉佐美の朝日小学校裏1ヘクタールの竹林皆伐と桜の植林事業」ののち、この朝日小学校に通う児童を対象に、なぜ森の再生事業が必要なのかという自然環境教育の一環として、現地で青空教室を開いたところ、生徒・先生たちから大好評をいただきました。このことから自然環境教育など、学校教育ではできないことが今後とても大切で、こういった教育システム改革の必要性を痛感しました。

 各都道府県では山林荒廃の対策を実施していますが、けっきょくのところ、地域の人々が立ち上がらないと変化しないのが現状です。高齢化社会となり、自然環境への知識を持つ人々がどんどん少なくなってきて、山の荒廃と獣害が進んでいます。この20年ほどで、ハゲ山が増えた原因は、植栽が少なく、広葉樹(落葉樹)の落ち葉と土壌の衰退が原因だと推測しています。また、かつては山林の所有者自身が自分の山を整備していましたが、後継者がいなくなり山の荒廃が進んでいることもひとつでしょう。

2021年、私たちは次のステップへ 

森の再生事業を通して感じたことは、前例の朝日小学校の生徒や先生たちを含め、自然環境教育の不足、そしてなによりも一般社会の人々の自然環境に対する見識不足を痛感しました。 私たち日本自然環境保全協会は、次のステップとして組織を改定し、自然環境保全のための教育部門を設立しました。現在、数十名の保全指導員の養成が開始されています。ここでは山と海での自然環境を保全啓蒙活動をサポートするための保全指導員の育成と教育プログラムを終了した保全指導員による、一般の人々、および学生・子どもたちを対象とした自然環境カリキュラム(教室)を実施してまいります。また、独立した自然環境保全の専門家委員会を設置し、定期的に提言を受けることにより教育部門の向上や活動の拡充に生かしてまいりたいと考えております。 さらに、広報部門も設立しており、今後、自然環境保全の啓蒙活動と自然環境保全のさまざまな情報、そして専門家委員会の会議での提言などをウェブサイトやSNSを通してお伝えするとともに、マスコミ向けの広報活動を継続しておこなってまいります。

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日本自然環境保全協会からのメッセージ

山、里、海の自然環境をテーマに人々の生活環境をより豊かにするために、多くの人の力と知識を集結させ、将来への希望ある生活環境を整えることがもっとも大切だと考えて活動をおこないます。
 大自然に親しみをもっている多くの人たちに参加していただけることを願っております。
 現在、荒廃した里山の間伐や、獣害によって立ち枯れた樹木を伐採し、ときには植栽といった活動をおこなっています。また防災上の対応として、海岸近くの高台の整備等も手がけ、海岸近くの地域の人々の安心と安全の確保もおこなってきました。自然環境保全指導員の育成をおこなうことにより地域の自然環境の保護・保全を充実させ、将来への自然環境を整えることで、希望をもって生活する環境を整えることが必要不可欠と考えております。また、地球の大循環を知り、多くの人々が山、里、海の仕組みを理解し、より良い生活環境の構築に参加できることをめざします。

 

日本自然環境保全協会の目的

 

自然環境保護と保全を目的とし、

  1. 地域の自然環境保護と保全のための調査と研究。

  2. 自然環境保護と保全のための、地域に合った教育。

  3. 公共団体等の自然環境の調査と保全計画の受託と実施運営。

  4. 自然環境保全を目的とする企業や団体への協力と斡旋。

  5. 協会の会報などの出版物の発行やホームページ構築と運営。

  6. そのほか、前条の目的に必要とされる活動や事業。

理事長、佐藤延男からのメッセージ

大自然は人類の源です。私たち人類が生きていくなかで、自然はなによりも大切な母胎であり、恩恵を与えるものです。それ自体が人間の生活に不可欠な要素です。

 自然を構成する要素とは、太陽光、大気、水、土、生物などによって構成される微妙な生態系であり、それを乱さないように生きていくことがとても大切なのです。

 世界では、必要に応じて人間の活動を規制しなければ、大きな影響をおよぼしかねません。過去の産業革命によって大量生産、大量消費、大量廃棄といった経済活動に対しての大きな反省をもとに、公害の防止や自然保護、保全に活動を誘導して、豊かな自然環境のための活動に努めることが不可欠となるのです。自然環境の保全をより積極的におこない、整備活動によって共有の資源として持続可能な環境を整えることが不可欠であるとともに、それは人類の将来への希望につながることとなるでしょう。自然環境を観察し、多くの人たちがより詳しい知識を身につけて生活することを推進いたします。

顧問

 

鷲尾 幸久

博士(工学)、国立研究開発法人「海洋研究開発機構」監事

「佐賀大学海洋エネルギー研究センター」協議員

 

石川 仁憲

博士(工学)、「中央大学研究開発機構」教授

「日本ライフセービング協会」救助救命本部長

「海上保安庁」安全推進アドバイザー

 

許 正憲

博士(工学)、国立研究開発法人「海洋研究開発機構」特任上席研究員

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