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環境保護から環境保全へ

日本という国を空から眺めると、国土は南北に細長く、そして急峻で複雑な地形であることがわかります。日本はこのような地理的環境により、多様な気候帯をもたらし、雨が多く、そして四季があるのが特徴です。沖縄の亜熱帯から北海道の亜寒帯までの多様な気候をもち、また日本列島は、標高1,000m~3,000m級の山脈が背骨のように走り、低地帯から高山帯まで、高度に応じて多様な気候環境があります。日本の国土の面積37万8,000平方kmの3分の2が森林で、世界の森林率の平均が30パーセントですから、いかに日本が緑に恵まれた森林の国ということがおわかりでしょう。このような多様な気候帯と地形によって、多くの動・植物が生息・生育しています。およそ7,000種類の植物(そのうち樹木は1,500種類)、また2,500種類の動物(うち100種類のほ乳類と550種類の鳥類)、32,000種類の昆虫類、そして150種類の爬虫類・両生類がこの自然豊かな国土に生息しています。

 また、国土の回りをぐるりと海で取り囲まれている島国でもある、日本。総延長35,000km にもおよぶ海岸線は、サンゴ礁海岸、砂浜海岸、磯とよばれる岩礁海岸のほかに、干潟、流氷海岸など多様性に富む自然環境があります。最近の研究で、日本近海の生物種数は3万3,629種、世界の25海域のなかでもっとも多様性に富んでいることがわかってきています。容積では全海洋の1パーセントにすぎない日本近海に全海洋生物種の約15パーセントが生息しており、流氷が張る北海道からサンゴ礁が広がる沖縄まで、海辺の自然環境の多彩さが日本近海の多様性を育んでいるのです。

 日本人は古くからこの豊かな自然とともに生活してきており、衣食住から精神世界にいたるまで、自然の恵みを享受してきました。しかし、いつのころからか、森林の木々が伐採され、または森林が荒れ放題に放置され、野山は削られ、ダムが造られ、小川も護岸工事によってコンクリートで固められ、そして水辺は埋め立てられてしまいました。海岸沿いも例外ではありません。ダムや護岸工事の影響で川から砂が海に供給されにくくなり、海岸浸食を食い止めるために消波ブロックが投入され、海辺の景観は破壊されました。さらに近年の地球温暖化による海面上昇や気候変動による集中豪雨と洪水などの災害、そして2011 年の東日本大震災では多くの犠牲者をだしてしまいました。

 自然破壊の最大の破壊者が地球自身であることは皮肉なことではありますが、 私たち人間が豊かな生活を追い求めるあまり、多大なCO2を排出し、地球の資源を食いつぶし、地球や自然をないがしろにしてきたことは事実であり、自然破壊の大きな要因のひとつが人間の営みであることも確かなことです。昔から日本人は、自然を愛で、自然を敬い、生活の知恵として、どんなときでも自然とともに共生してきました。今、私たちはふたたび原点に立ち返り、いかに自然と共生できるかを考えるときにきているのです。いま、私たちにできることは、この美しい日本の自然環境を保全し、CO2排出をゼロに押さえる循環型社会を構築し、それを次世代に残すことなのではないでしょうか。

 この私たちのささやかな取り組みにご協力をお願いします。

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一般社団法人 日本自然環境保全協会

Japan Natural Environment Protection Society

 

本部:〒245-0063 神奈川県横浜市戸塚区原宿4-25-7

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広報誌『しぜんかんきょう』

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理事長

 

佐藤 延男

元東海大学准教授

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顧問

 

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博士(工学)、国立研究開発法人「海洋研究開発機構」元監事 現監査室アドバイザー

一般社団法人「海洋産業研究・振興協会」監事

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博士(工学)、「中央大学研究開発機構」教授

「日本ライフセービング協会」救助救命本部長

「海上保安庁」安全推進アドバイザー

許 正憲

博士(工学)、国立研究開発法人「海洋研究開発機構」特任上席研究員

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