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編集後記

今、地球に優しいライフスタイルへの転換を求められている。

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ひとりの人間が呼吸によって吐き出すCO2 は1 日あたり約1kg、1 年間で320kg という計算があります。しかし人間の営みはこれだけではありません。寒ければ暖房器具を使い暑ければエアコンのスイッチを入れます。そして仕事や買い物に自家用車または交通機関を利用します。またお風呂に入り3 食の食事の支度もしなければなりません。このようにひとりの日本人が生活の中で排出するCO2 の量は、日本の排出総量(10 億8400万トン/2021 年)を日本の総人口(1 億2570 万人/2021 年)で割った数字です。それによると、一時期に比べ減ったとはいえ、ひとり1 日あたり23kg、年間8.4トンのCO2 を排出していることになります。日本は今年のCOP28 で2050 年にゼロカーボンを世界に公約していますので、私たち一人ひとり、ゼロカーボンにむけて歩みはじめなければなりませんね。

 たとえばこういう計算があります。樹木は1 本あたり年間14kg のCO2 を吸収しているので、もしひとりの日本人がカーボンゼロを達成するには600 本のスギなどを植栽しなければなりません。また、成長盛りの若い木(11 年~20 年)がCO2 をよく吸収していて、スギはクヌギの倍以上CO2を吸収しています。しかし、クヌギなどの広葉樹には落ち葉などで土壌を豊かにする働きがあります。広葉樹の腐葉土にはカルシウム、カリウムなどアルカリ成分が多く含まれています。針葉樹であるスギ、ヒノキなどの腐葉土には有機酸が含まれ、酸性になりますので、大きく見れば、スギの木を600 本植栽するよりも、クヌギを1,200 本植栽するほうが、環境にも優しいといえるのでしょう。 

 一人分のゼロカーボンのためにスギを600 本植栽するという数字はとても現実的だとは思えませんが、私たち一人ひとりがCO2 を削減する努力が必要なことは確かです。それでは、植栽のほかにいったいどのような取組みが求められるのか、chatGPT に訊いてみました。

 chatGPT はこんな提案をしています。ひとつにはエネルギーの効率化を図るべきだとし、具体的には住居や仕事場のエネルギー効率を向上させるために、LED電球の使用や省エネ機器の導入を検討すること。また、再生可能エネルギーの利用などをあげています。その他に、持続可能な交通手段の選択として、自家用車の代わりに公共交通機関、カーシェア、自転車、または歩行などで交通によるCO2 の排出を減少させる。電気自動車やハイブリッド車への移行をし、再生可能エネルギーで充電するようにと提案しています。さらに、食事の見直しとして、持続可能な食事の選択として地元産の有機食材を利用し、肉の摂取を減らして植物ベースの食事を導入し、環境の影響を軽減させる。そして最後に廃棄物の削減とリサイクルに取り組むようにと提案しています。

 chatGPT はまたこんな提案をしています。植樹プロジェクトの参加や海藻(アマモなど)の養殖など、環境保全に取り組んでいる団体への支援や寄付、また認定されたプロジェクトに対する炭素削減を支援する仕組みであるカーボンクレジットの購入、そして持続可能な農業プロジェクトへの投資を提案しています。そして、こんな結論を導いています。

 これらの取組みは、個人や組織が持続可能な開発目標に貢献する方法として重要です。カーボンクレジットの取得や環境に優しいプロジェクトへの参加は、地球環境を保護・保全し、気候変動に対抗するための一環として評価されています。

 これらchatGPT からの提案は、いままでの私たちの大量生産大量消費という無駄の多い生活様式を戒め、地球や自然環境に寄り添った節度ある暮らしに転換することを求めているといえます。

文:森下茂男

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