『しぜんかんきょう』第二号

Interview #08

逗子ロータリークラブ 徳永淳二さん

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アマモの再生事業を手伝うためにダイビングのライセンスを取った徳永淳二さん

「『Think Global、Act Local』―自然環境問題はまさに
世界的に考えて、地域で行動しようということです」

逗子ロータリークラブ会長の徳永淳二さんが環境問題に目を向けはじめたきっかけは趣味の釣りだった。「僕は逗子や葉山の海で釣りをして遊んでいるんですけど、昔のように魚が釣れない。僕が下手くそなのか、魚がいないのか?でも、魚が釣れるほうがいい。魚が減ったり、磯焼けの問題など、海の環境の変化を考えなきゃいけないなと思いました」

 徳永さんは3人の子どもの父親でもある。自分の愛する子どもたちには、今ある自然環境をより良くして残してあげないといけないと、親心に誓った。では、自分になにができるのだろうかと自問したという。「まず、逗子や葉山、鎌倉も沖は一緒ですけど、地球の自然環境というと大きすぎてわからなくなるので、まず身近な相模湾のすぐそこの海の生き物とか、海が実際にどうなっているのかをまず知る必要がありました」

 昨年、逗子ロータリークラブは60周年を迎え、その記念行事を任されていた徳永さんは子どもたちを対象にした自然環境セミナーを企画した。「江ノ島水族館の方たちは相模湾周辺の海を潜って動画や写真をたくさん撮っていたり、さまざまなご活動をされているので、まず近くの海の現状がどうなっているのかを知ろうと、江ノ島水族館の方を逗子にお呼びして、子どもたちに自然環境の考えるきっかけを作ろうと、逗子文化プラザで『えのすいと考える逗子の海と生き物セミナー』をやりました」

 昨年7月に行われたセミナーは大盛況だったという。「実際セミナーをやると、たくさんの質問が出ました。子どもたちは、自然環境にこんなに関心があるんだということを思い知らされ、これをさらに発展させてあげたいと思いました」

 自然環境セミナーは都合3回にわたって実施された。2回目は昨年の11月、漁業体験セミナーをおこない、父兄もいれて総勢100名程が参加した。「小坪漁港の漁師さんに協力してもらって、刺し網漁をやりました。そこそこ魚は獲れましたが、子どもたちは、ぴちぴちと跳ねる魚のほうが興味あるみたいでした」

 3回目は今年の2月に江ノ島水族館のバックヤードツアーを実施した。「江ノ島水族館に行って、ビーチクリーンを体験したり、江ノ島水族館の裏側を見るバックヤードツアーに参加して、生き物たちがどういうふうに水族館の中で生きているのかを見学しました。実際に自然環境で生きるということと、水族館で生きるということは違いますが、その違いを見ることによって、生き物は循環しているというようなことを学びました」

 こうしたセミナーを通じて徳永さんは、日本全国いろいろな場所でアマモの再生に取り組んでいて、相模湾でも行われていることを知り、個人でもそういう活動に参加したいと考えたという。「葉山で10年ほどアマモの再生活動をしている葉山アマモ協議会の山木さんを知り、自分自身、アマモの再生を手伝うために初めてダイビングのライセンスを取りました。それから、アマモの再生をやってたり、ワカメの養殖をやったり、ウニの駆除などをやりました」

 アマモの再生活動などに参加した徳永さんが感じたのは、環境改善の対策はなかなか難しいということだったという。「小坪漁港の漁師さんは、『再生をやることは大事だから手伝うけど、海の環境が変わっているのに、いくら植えたって定着するわけがない』と言われました。これをやればいいというのが、今はない。でも試行錯誤しながらやっていくことは、すごく大事なことだと思います」

 こういった活動をしていくなかで、徳永さんは環境問題にたいして確信めいたことを感じている。「個人的には、現場を見ないとなかなかわからないので、アマモや海藻類の再生活動には参加します。また、そういった現場の紹介を子どもたちにやっていこうかと思っています。一番大事にしたいのは、子どもたちが考えるきっかけ、みんなが意見を言うきっかけを作っていきたいなと思っています。今年も7月30日に第2回のセミナーを逗子のなぎさホールでやる予定です」

 先月、徳永さんはアメリカで行われたロータリークラブの世界大会に参加し、環境問題に関するグローバルな活動を見聞きしてきた。「世界ロータリークラブが海洋環境をテーマにアイデアを募集しているので、そのコンペに応募しようと考えています。それから、中高生たちのシンポジウムを企画しています。ズームもあるので、世界の高校生を繋いで、『Think Global、Act Local』、世界的に考えて、地域で行動するというのは、まさに自然環境問題はそこにあるわけです。彼らに『Think Global、Act Local』のきっかけを与えていきたいなと思います。次の世代に繋げなければいけないのはやはり大人の責任ですから」