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地球上、最も美しい島を守る子どもたち。

一般社団法人日本自然環境保全協会代表 佐藤延男
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石垣島北部伊原間の海岸に打ち寄せる大量のプラスチックゴミ

今、私たちができること

今から50 年ほど前の1975 年。湘南海岸は流れくる川からの汚染も多く、海岸に打ち寄せる漂着ゴミは最悪の状態でした。それは日本のレジェンドサーファーやダイバーたちがよくご存知のことです。

 その数年後には、レジェンドサーファーたちが集まり、湘南藤沢市を中心に海をきれいにするサーファーの会が発足され、定期的に海岸の清掃活動がスタートした時期でもあったのです。海が遊び場であり、やがてサーファーには大切な聖地に変更していく中で、多くのサーファーたちが感じていたのが海洋汚染でした。そして行動に出た清掃活動や印刷物での周知活動は全国に波及していきました。

 半世紀以上の時間が経過していく中では、多くの方々の活動や運動が引き継がれ、情報の共有があり、そして現在の状況に至っているわけです。私たちの生活状況も大きな変化があり、世の中は便利になってきたわけですが、その反面、大自然には多くの負荷がかかってきたことも事実なのです。便利イコールプラスチックの海洋汚染は明白な事実となり、やがてプラスチックによる海洋汚染の形が世界各地から報告が上がり、多くの生物にも影響を及ぼしている現状は、大きな世界的課題となっているのです。

 私たちがプラスチック製品を使用するのはもちろん問題はないのですが、使用した後の廃棄の方法を間違えてしまうことが、イコール汚染という形になることは、人々の生活の中での注意がいちばん必要事項となるわけです。つまり、注意して行動することがいちばん大切なこととなるのです。

 もちろん、海洋汚染はプラスチックだけにはとどまりません。かつては川の上流にある化学工場や食品加工工場からの化学物質の垂れ流しが原因で、多くの生物が死滅したケースもあったことは多くの方々がご存知だと思います。

1970~1980 年代のサーファーたちによるビーチクリーン活動のシンボル的存在となった「SAVE THE OCEAN」ステッカー

1978 年ごろに、海をきれいにするサーファーの会が設立され、日本サーフィン連盟の藤沢支部が中心になって活動が始まったとされている。その後、日本サーフィン連盟の支部予選(日本サーフィン選手権の予選会)で大会の合間に会場となった海岸の清掃活動が始まり、全国に広がっていった。ビーチクリーン活動の定着のために「Save The Ocean」のステッカーを作って配布したり、またサーフィン雑誌に活動内容が掲載されたりして、現在、全国的に海岸清掃が一般化し、ビーチがきれいになっていった。当然、行政側も市民活動として認める形が構築していった。そう考えると、サーファーの海や自然環境へのリスペクトは大きな力を与えたのだろう。ただ、現在の海洋汚染の状況から考えると、新たなステージに入り、地域の活動よりもプラスチックゴミの問題はビーチクリーンでは収まらなくなっているといえるだろう。これは国際的な問題で、多くの国々が共通の認識で活動をしていかなければ、次世代のプラスチックやマイクロプラスチック問題は解決できないということだと思う。問題は、サーフィン連盟だけではなく、大自然に関わるすべての人たちが声をあげて活動していくことが今後の課題になっている。

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世界でも有数の美しさを誇る八重山諸島の海

今は亡きアメリカの海洋学者

レイチャル・カーソン(注)が全世界に警鐘を鳴らしたサイレント・スプリングス(沈黙の春)では、北米の農業が大量の農薬を使用し、その農業を継続することは、すべての生物に大きな悪影響を及ぼし、人類にも地球環境にも多大な負荷となり、鳥の鳴き声さえもこの世から消え去ると訴えました。

 それから50 年以上の時の経過の中で、人類はさらなる汚染を引き起こし、大自然に大きな負荷を与えてきてしまったわけです。私たちが次世代に残すのは汚染ではなく、クリーンな地球環境が不可欠となる現在、私たちはどのような生活をしていくべきなのかを、皆さんと共に共有するべき時なのでしょう。現在では、世界の子どもたちを含む多くの人々が、環境保全の活動を行なっています。石垣島北部の子どもたちも同じように世界でいちばん美しい海で、浜辺に打ち寄せたプラごみの回収活動を強いられるのは、私たち人類の責任において、いつかこの活動が必要ない時代を作っていくこと。それがもっとも大切な約束なのではないでしょうか。

’注)レイチェル・カーソン(Rachel Carson/1907-1964):1960 年代に環境問題を告発した生物学者。農薬として使う化学物質の危険性を取り上げた『沈黙の春(Silent Spring)』は、DDT などの化学物質が環境や生物に与える影響を詳細に分析し、生態系の破壊や人間の健康への悪影響を警告しました。この『沈黙の春』の出版は、環境保護運動の高まりに繋がり、環境保護庁の設立やDDT の使用禁止などの具体的な政策変更をもたらしました。またカーソンは、海洋生物の研究を行い『、潮風の下で』『、われらをめぐる海』などの著書で、海洋の美しさや神秘さを伝えています。彼女の著作は、自然の美しさを愛でるだけでなく、人間活動が自然に与える影響を深く考察し、自然との共生を訴えています. また『センス・オブ・ワンダー』:では、子どもたちが自然に触れ、生命の不思議さに感動することの大切さを説き、自然に対する感受性を育むことの重要性を伝えています。

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清掃活動を行う石垣島北部伊原間地区の子どもたち

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