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Cover Story

持続可能な海洋開発と海洋環境を探索する
新大航海時代

「持続可能な開発のための国連海洋科学の10 年」に向けて、
海洋汚染の減少や海洋生態系の保全から、海洋リテラシーの向上と人類の行動変容まで、10の挑戦課題に世界は動き出した。

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写真提供:ノルウェー大使館 Satsraad Lehmkuhl Photo:Richard Sibley

昨年の10 月、ノルウェーの大型帆船、スターツロード・レムクル号が横浜港に寄港した。これは国連の定めた「持続可能な開発のための国連海洋科学の10 年」の取組みの一環として、19か月をかけて地球を一周する航海「ワン・オーシャン・エクスペディション」として、アジアでは最初の寄港国として日本にやってきた。スターツロード・レムクル号は2021 年8 月にノルウェーを出発し、2023 年4 月の航海終了までに55,000 海里(101,860km)を航行して世界36 港を訪問する予定になっている。航海の目的は、持続可能な開発における海洋の重要な役割を伝えることで、風の力を利用して航海する帆船によって世界中の港をめぐる試みは二酸化炭素削減のメッセージを伝える象徴的な意味を持っている。

 スターツロード・レムクル号は1914年に商船の航海練習目的で建造された鋼製3 本マストの帆船だ。当初は、ドイツの航海練習船として第一次世界大戦中に使用され、1920 年に戦争賠償の一環としてイギリスに移された。その後、1923年よりノルウェー籍の航海練習用の帆船として1967 年まで稼働していたが、運営会社の財政難により現在の所有者で運営を担うスターツロード・レムクル財団に寄贈され、ノルウェー海軍アカデミー、船舶学校などの練習船として活用され、現在に至っている。「ワン・オーシャン・エクスペディション」は、ノルウェー政府、ユネスコ、ユニセフなどの協力のもと実施されており、ノルウェー、日本、太平洋諸国の乗組員と研究者が乗船し、日本に向けて航海してきた。​

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